少ないおもちゃで遊ぶほうが創造的
実験では36人の幼児が2パターンの遊び場に分けられます。一つは、おもちゃが4個ある遊び場。もう一つは、おもちゃが16個ある遊び場です。そこで子どもたちは、一人で30分間遊ぶように伝えられるのです。
研究者たちは、実験に参加した36人の幼児たちの遊びにおける活動内容の数と創造性を計測しました。
その結果、16個のおもちゃで遊んだ子どもよりも、4個のおもちゃで遊んだ子どもの方が創造的要素が高く、1個ずつのおもちゃで長く遊び続けることがわかりました。
つまり、子どもたちは与えられたおもちゃの数が少ない場合は、一つのおもちゃであっても別の遊び方を見つけ、新しいおもちゃであるかのように長時間遊ぶことができたのです。
もともと自分で作り出す能力をもっている
この結果を踏まえて、今回のケースを見てみましょう。
自分から何かを創造する力を育むためには、おもちゃの数は少ない方が良さそうです。子どもはもともと自分で何かを作り出す能力を持っています。それを「そっと手助けしてあげる」くらいのシンプルなおもちゃが少しあればいいのではないかと思います。
また前述の通り、好きを見つけて追求する力を発揮できるようになるためにおすすめなのは「3つのP」です。
3つのPとは、遊び(Play)→情熱(Passion)→目的(Purpose)でしたね。おもちゃの数と創造性は、最初のPである「遊び(Play)」に関わります。遊びの中から次の情熱を見つけるためには、おもちゃを用いて想像力を呼び覚ますことが最初のステップになります。
まずはシンプルなおもちゃを4つ程度吟味することから始めてみるのがおすすめです。
ただし、先の研究結果を解釈する際に注意してほしいことがあります。
この研究結果は「少ないおもちゃで遊ぶべきである」と言っているわけではなく、「子どもたちは少ないおもちゃで遊ぶ状況の方が、より創造的に遊びを行う可能性が高い」ということを示しているだけなので、注意してください。
創造力を持って遊べること、これが後に好きに突き進む情熱力になる可能性があるのです。