中学受験で不登校になる子どもたち
39年間の長い指導経験から、不登校になる子たちに一定の傾向があることがわかってきました。
まず、早期教育や習いごと、中学受験などを子どもの意思を無視してやらせている場合です。
私のところに相談に来た不登校・ひきこもりの生徒に、「人生で一番がんばったことは何か」と聞くと、ほとんどの子が「中学受験」と答えます。
小学生のうちはまだ親に反抗できませんから、自分でも気づかないうちに親の期待に応えようとしていて、無理をして勉強や習いごとをがんばるのです。
「小学校時代はほぼ毎日、塾や習いごとがあった」と話す子も少なくありません。
でも、中学生になって自我が強くなってくると、親の言うとおりにすることに反発し始めます。
中学受験が終わると燃え尽き症候群のようになってしまうこともよくあります。入学してすぐ、4月や5月のゴールデンウイーク明けから不登校になってしまうのです。
もしくは、1学期中はなんとかがんばっていても、夏休みで緊張の糸が切れると、もう2学期からは行けなくなってしまいます。
「子どもに甘い親」は要注意
もう一つの傾向は、親が子どもに甘すぎる対応をしてきた場合です。
特にお父さんが子育てにあまり関わってこなかった、お父さんが甘い、という場合が多く見られます。
たとえば、家で朝起きてきても、「おはよう」の挨拶もせず、お手伝いもせず、食べたら食べっぱなし、服は脱ぎっぱなし、すべて親がやってくれるのが当然という態度に育ててしまっている場合です。
マナーや礼儀、生活習慣をきちんとしつけていないのです。生活習慣がきちんとしていない状態で不登校になれば、あっという間に昼夜逆転してしまいます。
そして、一番よくないのは、金銭面で甘い親です。
親が子どもの言いなりになって、ゲームで何十万円もの課金を許したり、アニメグッズを何十万円も買ってあげていたりします。
「ゲームの課金をさせてくれたら、都立高校を受験する」と親に要求するひきこもりの子もいました。お父さん、お母さんに要求を拒否するように伝えましたが、結局、要求をのんでしまいました。合格したものの、その子はその後もひきこもったままです。
そもそもお金は働いて得るものです。
それなのに、高校生以上にもなって、家で何もしないで親がお金をくれるのでは、外に出て働こうという気もなくなってしまいます。親自ら、子どもが立ち直る機会を奪っているのです。