なりやすいタイミング②高校1年生

次のタイミングは高1のとき、いわゆる「高1クライシス」です。

一番の原因は、制度の違いです。中学までは義務教育なので、いくら成績が悪くても、欠席が多くても、全員が在籍したままで、進級も卒業もできる中学校がほとんどです。

しかし、高校は義務教育ではないので、赤点が3教科以上あると進級できないなど、各学校によって成績の規定があります。

また、たいていの高校では年間授業日数の3分の1以上欠席すると、進級できません。9割の学校で年間授業日数を190~209日の間に設定しているので、1年に60~70日休むと進級が難しくなってきます。

たとえば、ゴールデンウイーク明けから学校に行かなくなった場合、9月ごろには進級が難しくなってしまいます。

成績不振や出席日数が足りなくて進級できなくなると、留年か退学のどちらかです。

留年して1学年下の後輩たちと同じクラスで勉強するのは苦痛なので、退学するケースがほとんどです。

そのため、高校の退学者は高1が一番多くなっています。多くは通信制高校に転校しますが、そのままひきこもりになってしまうこともあります。

教室で勉強している困った顔の女子高生
写真=iStock.com/koumaru
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なりやすいタイミング③高校卒業直後

3度目のタイミングは高校卒業直後です。

大学に入ると、高校までのように毎日担任の先生が出欠を確認しませんし、欠席が続いても誰も何も言ってきません。大学になじめないままでいると、だんだん行かなくなり、ついには中退してしまうのです。

実際、大学や短大などの中退率は増える傾向にあります。2022年度の中退者は6万3098人で全学生の2.09%です。50人に1人が中退しています。

大学受験に失敗して浪人する場合も、予備校では授業に出てこない生徒にいちいち出席を促しませんから、だんだん行かなくなり、予備校不登校の状態になってしまうのです。