2026年には日本の政策金利は1%を超えるだろう
この先やってくるのが円安なのか円高なのか、株高なのか株安なのか、経済の先行きが読みづらい状況になってきました。理由は本来独立性をもつべき日銀の金融政策が極めて高度な政治問題になっているからです。
先に重要なことをお話ししておきます。この先、1年先から2年後あたりに金利は確実に上がります。もうひとつ重要なことをお話ししておくと、それまでの1年間はそれほど金利は上がらないでしょう。わかりやすく表現すれば「当面は日本の政策金利は0.25%程度の状況が続くが、2026年にはおそらく1%を超えているだろう」という予測です。
そうなると住宅ローンに大きな影響が出ます。金利が1%上がればかなりの層がこれまでのように住宅を購入することが難しくなります。一方で固定金利を使えば金利が上がる前に駆け込みできる可能性があります。なにしろ政策金利が上がるまでの猶予が1年程度ありそうだからです。その影響について記事を書きたいと思います。
「植田ショック」と「石破ショック」
先に、今、日本の金利がどのように政治問題になっているのかを簡単にまとめます。金利上昇が先送りされた事情の解説です。
日銀が今年3月にマイナス金利を解除し、7月に追加利上げを行いました。そこまでは既定路線とも言えたのですが、市場がハト派だと考えていた日銀の植田総裁が「金利0.5%を壁として意識していない」という趣旨の発言をしたことで市場が動揺します。
本格的に日本の金利が上がっていく可能性が急に出てきた。そのことによって植田ショックと呼ばれる円高と株式市場の大暴落を引き起こしました。日銀はあわてて事態収拾に動き、副総裁が当面利上げをしない方針を明言し、市場の動揺は収束します。
そしてふたたび市場が動揺したのが9月27日の自民党総裁選です。一時、アベノミクスの継承者と目された高市候補が優勢になったことで1ドル=146円台の円安になったところから、決戦投票で石破総裁が誕生した瞬間に逆の1ドル=142円台の円高が起きました。
このとき長期金利も上昇傾向を示しました。それまでの石破氏の発言から石破総裁が誕生すれば金利上昇を容認するだろうと市場が考えているからです。結果、その夜にシカゴの日経平均先物が大幅に値を下げ、週明け月曜日の株価はその流れを引き継いで日経平均が1910円安となり、石破ショックと呼ばれたのです。
この状況を見て石破新総裁は「必要であれば財政出動する」など総裁選中とは打って変わった政策を口にすることになり、それを信じる形で為替はふたたび円安方向に、株価は上昇に転じています。