「お買い得大学」が宮崎にある
「暴騰」と表現した採用担当者にとって、おそらく「バリュー株」、お買い得大学とでもいうべき大学が宮崎国際大だ。国際教養大の10年前、1994年に開学している。私立大だが、教育内容は国際教養大とほぼ同じだ。英語による講義もそうだし、海外留学も2年生後期の半年間と短いが、これも同様。外国人教員比率は80%で国際教養大より多く、日本一だ。
TOEICも、07年入学時点の平均が356点、それが10年卒業時には平均613点まで上がっている。
隈元正行学長は、「うちは全くTOEIC対策をやっていない。大学教育の中で自然に上がっていった。10年卒業生の1割は800点を超えている」と説明する。スタートは300点台半ばからだ。なかには200点すら割る学生もいる。そのうえ、TOEIC対策で何か特別なこともやらない中、平均点数が600点を超えるようになるのは並大抵のことではない。
なぜ、ここまで英語力を伸ばすことができるのか。同大学の授業の特徴は少人数制であることだ。学生の数は5人ほどのクラスから、多くても25人ほどで(平均11人)、こぢんまりとした教室で学ぶため、大講堂は1カ所しかない。ディスカッションやプレゼンなどのアクションラーニングが取り入れられ、プレゼンに関しては、全科目を通して年に15回は経験することになる。1科目あたり年間15回の授業があるなかで、4回欠席すると単位を取得できない。少人数すぎて代返などできるはずもない。こうして日々の授業のなかで英語力を磨いていくのだ。
だが、同大は例年、定員割れに苦しんでいる。2010年の入学者は定員100人に対して67人。代々木ゼミナールの偏差値では45と国際教養大の64を19ポイントも下回る。