国際教養大学の図書館。秋田杉を使った雰囲気のある建物だ。24時間365日開放されている。蔵書のうち、8割が英語で書かれたもの。

図書館には英語の原書があるばかりではない。言語学習をサポートする異文化言語学習センターも併設されている。同センターでは、英語はもちろん、多言語のテキストが完備され、語学の模擬試験のために、時間を測りながら問題を解く特別室も設置されている。

図書館以外でも学内のいたるところ、英語が溢れている。掲示板や注意書きなどもそうだし、記者がカフェテリアでお茶を飲んでいると、テレビはBBCニュースが中東情勢を伝えていた。

入学時点でのTOEFLスコアは04年の開学当初は450点。10年は520点。留学前には550点が義務づけられ、卒業時には600点が目標だ。詳細データは不明だが、TOEICでは、850~900点に到達する学生は多いという。

中嶋嶺雄学長は次のように話す。

「日本に欠けているのはグローバル化に対応できる人材。そこで外国語と教養教育に力を入れる大学として開学しました。当初から講義はすべて英語、外国人留学生との1年間の寮生活、1年間の海外留学などを学生に求めています。国公立大では法律の関係もあり、04年まで正規の外国人教員がいませんでした。そこで、わが校は最初から外国人教員の雇用が可能な公立大学法人として開学。現在、外国人教員の比率が全体の約半数となっています」

入学すると、まずEAP(English for Academic Purposes)と呼ばれる英語の集中特訓が始まる。これは、英語の授業を受けるのに必要な英語力をつけるためのもので、ノートのとり方、プレゼンやディスカッションの仕方などを徹底的に叩き込まれる。