“学会エリート”は民衆を導けるのか
池田大作氏が死して1年。また彼はすでに2010年以降、公の場からは姿を消していた。そして遺された総体革命の申し子たちは、創価学会をどんどんエリート主義の団体にして今に至り、その一つの表れとして、「官僚OBたる公明党新代表・石井啓一」を生んだようにも見える。
もちろん、現在の創価学会、公明党とはとてつもない巨大組織である。事務能力に長けた人々による集団指導体制でも敷かない限り、円滑な運営は困難だろう。しかし、そうしたエリート軍団が、池田氏から引き継いだ「民衆の城」をどこまでうまく取り回していけるのかは、なお未知数な部分が多いようにも感じる。
今秋中にも行われる公算が高い衆議院議員選挙は、創価学会のカリスマ・池田大作氏が昨年11月に死去してから初めて行われる解散総選挙である。公明党もこれを、池田氏の“弔い選挙”と位置付け、かなりの力を入れてのぞむと思われる。
一方で、いわゆる裏金問題などで世間から多くの批判を浴びている自民党は、現状で公明党以外に頼れそうな外部勢力もない。そういう意味で自公連立はまだまだそれなりの固さで続くだろう。しかし、“次の次”以降にも、石井氏の率いる“新しい公明党”がどこまでその地力を維持できるかには、要注目と言うべきだろう。