合格点のプラス10~15%を目標としておく

さて、試験の合格点が80点のとき、過去問で毎回80点取れる実力をつければ本番でも同様に80点取れるでしょうか。

これは、かなりチャレンジングな数字だと私は考えています。

試験本番は緊張したり、突然出題の形式が変わったりして、本来の実力を出し切れないことがよくあります。試験本番では実力の80%程度しか発揮できないと言われることもあるほどです。

教室でテストを受ける女子高校生
写真=iStock.com/skynesher
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このため、自分の本来の実力を出し切れないことを前提に、目標点数を設定しておくことが重要です。私の場合、合格点のプラス10~15%程度で目標点数を見積もることが多いです。

80点が合格点だとしたら、普段の練習では90点程度を目標にしておくということです。このように余裕を持たせることで、試験本番に予期せぬ事態が発生しても、合格ラインを超える可能性が高まります。

練習で高い点数を取ることは、本番での不確定要素に対処する余裕につながるのです。

また、日頃から高得点を目指して練習することは、試験に対する自信を高める効果もあります。高得点を取るためには、知識の暗記だけでなく、応用力や問題解決能力も必要なため、試験本番で出題形式が変わったなどの場合でも冷静に対応できる力が身についているでしょう。

「自分はどんな問題が来ても大丈夫」と自信を持てれば、緊張もいくらか和らぐはずです。

分析の結果、今何を勉強するべきかが分かる

試験の分析と自己分析ができたら、実際に数値化した差分をどのように埋めていくかを、具体的に考えていきます。目標達成に必要な要素を見極めていくのです。

たとえば、TOEICで800点を取ることが目標だとしましょう。現在のスコアが550点だとすると、目標達成にはあと250点必要です。

この250点アップをどう実現させるかを考えたときに、参考にするのが自己分析の結果です。「語彙力はいいほうだが、文法知識が足りない。読解力ももう少し強化したい」ということがわかっていれば、文法知識と読解力を鍛えるべきだとすぐに判断できますよね。

それがわかれば、あとは具体的に何をどう勉強していくかを考えるだけです。たとえば、次のような手法が思いつくでしょう。

▼文法知識の補強
・文法書や参考書を読み返し、基礎を復習する
・文法だけをまとめた問題集を解いて、集中的に知識を付ける
・英文を読む際にただ読むのではなく、文法構造にも意識を向ける

読解力の向上
・毎日一定量の英文を読んで、英文に慣れる
・時間を計って問題を解き、スピードを上げる
・問題集の解説をじっくり読んで、長文読解のコツをつかむ

このように目標達成に必要な要素を具体的にリストアップすることで、自分に足りないものが明確になります。理想のスコアに到達するために、自分が何を勉強する必要があるのかが見えてくるでしょう。