理解度に応じて勉強するウエイトを決める

敵のことを十分に把握できたら、次は自分自身の分析に取り掛かります。

はじめに、合格点に対して、自分の実力が現状何点くらいで、その差分がどれくらいあるかを把握しましょう。このとき、数値化することを徹底してください。数字で明確な差分をつかむことで、ゴールまでの道がより明確になります。

次に、試験範囲や科目に対する自分の理解度を把握し、それを分類する作業に移ります。ひと口に戦略と言っても、得意な科目を伸ばしていくのか? 苦手な科目の点数を底上げするのか? など、様々な方法が考えられます。

自分の現在地からゴールまでの距離を、どうやって埋めていくかを考えるために、自分の実力の解像度を上げていくのです。理解度は、おおむね以下のように分類ができるかと思います。

A.比較的得意、応用まで活用できる内容
B.基礎知識は一定あるが、応用となると難しい内容
C.基礎知識にもやや不安がある内容
D.出てくる言葉は聞いたことがあるものの、きちんと勉強したことはない内容
E.これまでまったく触れたことがなく、言葉の意味など基礎中の基礎から始めなければいけない内容

人は、まったく勉強をしていなかったとしても、日常生活からその分野に関する一定の知識を得ている場合があります。

すべての内容を基礎の基礎から学んでいくのは極めて非効率。理解度に応じて、重点的に勉強する内容にウエイトをかけていくのが正攻法です。

できる・できないを知ることは戦略の要

今まで一度も触れたことのない内容を勉強し始める人は、ほとんどの内容が「E」に当てはまると思いますが、そこで不安に思う必要はありません。

この工程の目的は「できる・できない/知っている・知らない」の度合いをチェックすることではなく、必要な勉強を見極めて、勉強の戦略を立てるときの参考にすることだからです。

また、分類するときも、それほど細かく分けなくても結構です。「ここはよく知っているから、あまり時間を割かなくても大丈夫」といったように、大まかにイメージを作っていけばOKです。

私が薬剤師国家試験対策として勉強を始める際に真っ先にやったことも、試験で出題される範囲を早めに確認し、必要な勉強が何かを把握することでした。薬剤師国家試験は試験科目が非常に多く、特定の範囲に絞って勉強する戦法が通用しない試験で、普段から「苦手を作らない」勉強をすることが必要でした。

最初は、勉強すべき内容の膨大さに絶望しましたが、早々に自分がとるべき方向性がわかったので、全教科をまんべんなく勉強する計画を立てられました。何より、きちんと計画を立てて勉強した結果、実際に合格できたのでよかったと思っています。

このことからも、「何を勉強するか決めること」がいかに重要かわかると思います。出題範囲の広い試験に挑戦しようとしている方にとっては、特に有効な方法です。