ソフトバンクにとって節目の年になった2010年。日本国中の注目を集める時代の寵児が、「最後の大ぼら」として、30年後、300年後の未来を語った。

大好きな祖母に「大キライ!」

ソフトバンク社長 孫正義氏

何度も言ってきたことですが、私が、ソフトバンクで成し遂げたいのは、「情報革命で世界中の人々を幸せに」ということです。名前も知らない、カンボジアかどこかの小さな女の子が、誰に感謝していいかわからないけど「ありがとう」とつぶやきたくなるような、そんな幸せに貢献できるような会社になりたい。

そう考えるのは、私のルーツに理由があります。私の祖母は韓国籍です。14歳のとき、日本語もままならない、知り合いも頼る人もいない状態で、たった1人で日本に来て、倍以上も年の離れた私の祖父と結婚しました。きっと辛かったと思います。そんな祖母から生まれた私の父は、中学生のときには一生懸命働いて、家計を支えていました。ヤミの焼酎をつくって、残飯で豚を育てて、なんとか生きていたんです。そんななか、1957年に私が生まれました。