コンプレックスとはどう向き合えばいいか。教育学者の齋藤孝さんは「コンプレックスがあることは、『悩みのたね』ではなく、『エネルギーのもと』ととらえると、その価値が180度変わる。たとえばNBAで身長二メートル級の選手が多いなか、バスケットボール選手の河村勇輝選手と富樫勇樹選手は、それぞれ172センチ、167センチで、めざましい活躍をしている。漫画『スラムダンク』でスピードが持ち味の宮城リョータも同じであり、彼の言葉はそのままコンプレックスがエネルギーのもとになることを示している」という――。

※本稿は、齋藤孝『自分を動かす魔法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

バスケットボールコートでドリブルをするバスケットボール選手
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コンプレックスは味方にできる!

人によって抱くコンプレックスはさまざま。

顔立ちや体形などの見た目だけではなく、学校の勉強ができないとか、運動神経がよくない、うまくしゃべれない、モテない……誰もが何かしらのコンプレックスを感じているようです。

でも、この世のなかに完ぺきな人間などいないのですから、探せばどこか「人より劣っているかも」と思うようなことは見つかって当然です。

それなのに、そのことに引きずられて、思い悩む時間が増えてしまうのは非常にもったいないことだと思います。

そこでぼくからの提案。

コンプレックスを軽くとらえてみる

コンプレックスは、大人でも「ひとりで抱え込んで悩んでいる」人は多いように思います。自分の弱点や欠点、劣っている点などは、まわりの人に知られたくないという気持ちがあるからでしょう。

裏を返せばそれは、自分のコンプレックスを重くとらえすぎているということです。人より劣っていることや苦手なことは、誰にでも「あるもの」なのですから、もっと軽く考えましょう。

大丈夫。練習すればできます。