事件当日に不審人物を特定

この日は成人の日で、捜査1課長だった若松敏弘が官舎から現場に到着したときには、鑑識活動とともに、「捜査支援分析センター(SSBC)」と捜査1課初動捜査班の合同チームによる防犯カメラの画像収集がすでに始まっていた。特別捜査本部が設置された重要事件なので、刑事部長だった高綱直良なおよしも自ら現場に駆けつける。合同チームはリレー捜査で夕暮れに消えた犯人に迫ろうとしていた。

現場近くに凶器とみられる刃物が捨てられており、合同チームの捜査員はその辺りから中目黒駅までの間の住宅街や商店街の防犯カメラの画像を一斉に調べた。ボストンバッグを持った不審なジャンパー姿の男の画像は、事件が発生した当日のうちに見つかった。

中目黒駅を出て住宅街を通り元役員宅の方向へ歩く姿が事件前の「前足」で、商店街を抜け中目黒駅へと入る姿が事件後の「後足」だった。ところが、後足で男の姿はいつまでたっても駅ホームに現れない。男はどこへ消えたのか。