「俺は生涯、一線の記者でいたい」とみんな言っていた

【佐藤】しかも出世に興味がなかったよね。東大の後期教養学部の国際関係論専攻出身で、ある意味プラチナチケットを持っているのに。

外務省にいた当時、会う記者がみんな同じことを言っていたんですよ。「俺は生涯、一線の記者でいたい」「もし部長職をオファーされても拒否して編集委員としてやっていく」って。一種のブームだったんだろうね。どの新聞社の記者も示し合わせたように言うから、面白いなと思って聞いていた。そしてそういうことを声高に言うやつほど、管理職になるために裏で画策していたことがあとからわかって、やっぱりなあ、と思うんだけど。

西村さんはそういった妙な気負いやアピールが一切なくて、ああこの人は自分の力には自信があるけど、出世のために何か画策するタイプではないんだな、と見ていました。