多発する互助会トラブル

互助会に加入した人のよくあるトラブルを一つご紹介しましょう。

合計35万円の積み立てで葬儀ができるかのように勧誘しておきながら、実際に互助会が出してきた見積もりは通常の葬儀社と同じく総額が百数十万円だったというのはよく聞く話です。

彼らは、「積み立てで保証されているのは最低限の設備・備品のみの葬儀であり、お花のない祭壇はみすぼらしいですよ」「故人様を気持ちよく送り出しましょう」と情に訴えかけます。

そして、互助会はさも当然のように「積み立て分はお引きすることができます」と勧誘時の甘言とはまるで異なる条件を突き付けてきます。

「金利もつかない中でなぜ長年積み立てていたのだろう、母は『互助会に入っているから積立金で葬儀ができる。心配するな』」と言っていたのに……と親族は頭を抱えます。とはいえ、多額の現金を積み立てた手前、互助会の言う通りに追加でお金を支払う――というのが一般的な流れです。

考えても見れば、積み立てたからといって、同じ葬儀にかかるコストが大きく変わるわけもありません。同じような金額になるのは自明のことで、「著しく安く葬儀ができる」というのは、囲い込みのための大げさなセールストークだったと言わざる得ないのです。

30万円の積み立ての解約手数料が10万円

消費者センターには解約トラブルも多く報告されています。

冠婚葬祭互助会を利用せずに葬儀を終えた人が、利用しなかったのだから解約して返金してもらおうとした際、高額な解約手数料を要求されたり、解約の申し出を強引に引き止められたりといったケースもあるようです。

具体的な事例としては、月掛け金3000円を100回、合計30万円を積み立てていた人が、他の葬儀社を利用したために解約を申し出たところ、10万円を超える解約手数料がかかると言われた――といったものです。

2015年に消費者団体が高額な解約手数料の返還を求めた裁判では、高額な解約手数料について裁判所が「算定根拠が不明瞭」とし、互助会側が敗訴しています。