「いつの間にか慎重な観察が求められる候補に」高市早苗(63歳)

前回の総裁選でも安倍後継を掲げて善戦したものの、その後の奈良県知事選での体たらくや放送法文書捏造問題で議員や関係先から呆れられ、一部の民族右派界隈以外は“名前を口に出してはいけないあの人”扱いされてしまっている高市早苗さんも名乗りを挙げています。

ただ、高市さんをかつて支えた人たちは小林鷹之陣営に流れていき、全国行脚しつつもその土台は相変わらず日本会議系、付き合う議員にも大物は少なく、「出馬することに意義があると思ってそう」「ジェンダー的な数合わせで、(自分以外の)別のやつが推薦して出馬してくれないかと思っている」など、評価はさんざん。しかし、萩生田光一さんの漢気モードで推薦人もやや増えて、無事出馬まではできそうな雰囲気です。

経済安全保障担当大臣も今回でお役御免であることを踏まえれば、これが最後の輝きになるのかどうか、慎重な観察が求められる候補になってしまいました。

「上川さん、いいと思うんだけど、何をしたい人なのか…」上川陽子(71歳)

長老がうっかり「上川陽子は(総裁選に)どうか」と口に出したら、周辺の派閥議員がざわざわした結果なんとなく総裁選候補の一角になってしまった、みんな大好き上川陽子さん。優秀だし控えめだし淡々と仕事をするという意味では、日本憲政史初の女性総理大臣として割といい感じな気もしますが、任期最後に外務大臣の職責をぶん投げるかのようなムーブがあって、あれ、上川さんってそういう人だったっけという流れに。

結果的にガセネタだったんですが、思い返せば上川陽子さんの話題ってそれぐらいしかないほど地味なんですよね、いまや日本憲政史初の女性総理大臣にもっとも近い人物なのに。

議員からは「上川さん、いいと思うんだけど、何をしたい人なのか良く分からないんですよね」「ずっと一緒にいるけどどうしたいか話したことがない」など、味のしないスルメ的なポジションでやってきた、女性議員としては稀有な存在と言えます。

党務方面ではその優秀さとつかみどころの無さ故に「おんな竹下登」「野球部にいる地味なほうのマネージャー」という評価が定まっています。面倒な雑務の多い重要閣僚に起用すると誰も文句を言わないので人事面で便利という扱いで、林芳正さん以上にいい具合の自民党政治パーツになっている面があります。

他方で、緩いスタートだったのに上川陽子支持者が周りに意外といたのでびっくり。総裁選に出馬すると割といいところまでいくのではないかという話もあり、選挙管理内閣の顔としてどうだという議員も少なからずいるようです。

ただ、実は本人も旧民主党への政権交代時に比例復活もできず派手に落選してるんですよね。しかし、貴重な女性候補なのに「消去法で上川陽子」という人たちばかりなのは何なのでしょうか。もっと熱量上げていこうぜ。