「あー、わかる~!」価値観の一致には激しく同意

「家族がいても、1人の時間は必要ですね」
「わかります。1人時間がないと、だんだんイライラしてきませんか?」
(共感質問でさらに共感し合う)

“共通点”があると親近感がわき、仲良くなれることを「類似性の法則」といいますが、「価値観の一致」も立派な共通点であり、法則が発動します。

価値観とは、「どんなことに価値を見出すのか」といったものごとの考え方。「お金より時間が大事」「○○にはお金をかけたい」「友人は少なくてもいい」「家は賃貸派」「自然が好き」「古いものが好き」など相手の口からポロッと価値観が出てきたとき、自分も同じ考えなら「あー、わかる! 私もそうなんです」と喰いついてみましょう。

相手の話をさらに深く聞いたり、自分のエピソードを話したり、「こんなことってありません?」と共感したりして、雑談が盛り上がることはまちがいありません。

会話をする男性と女性のビジネスパーソン
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

どんな人でも、なにかしら一致する価値観はあるものです。が、「価値観が違う」という相手でも案ずることはありません。

「そんな考えをもっている」と知っていれば、違う部分は話題を避けたり、相手の価値観を認めたりすることもできるでしょう。

とくに上司やお客、親戚など嫌でも付き合う相手は、価値観やこだわりをわかっていたほうが、うまく付き合えます。

雑談とは、相手の価値観を知り、付き合い方を知るプロセスでもあるのです。

ネタに困ったら「五感で感じること」を話題にする

「このレストランのインテリア、おしゃれですね」(視覚)
「流れているこの曲、好きなんです」(聴覚)
「いい香りが漂ってきませんか?」(嗅覚)
「このカレー、あとで辛さがきます」(味覚)
「いすのクッションがやわらかくていいですね」(触覚)

上司や同僚と営業先に行ったり、外食したりするとき、「話が続かない」という人も多いようです。そんなときは、頭のなかの情報を頼りにするのではなく、「いま、感じていること」をそのまま口にしてみてください。

いちばん手っ取り早いのは、目に入ってくるもの。

食事に行く見慣れた道中でも、よく観察すると、「こんなお店、ありましたっけ」「照明のデザイン、面白くありません?」など話題は無限に出てきます。

相手も一緒に見ているので、いちいち説明する必要もなく、「ほんとだねー。知らなかった」など、すぐに反応してくれるでしょう。

レストランでは、家具やインテリアを見てコメントしたり、従業員の制服やメニューにツッコミを入れたりしてもいいでしょう。

「静かでいいですね」「アロマの香り?」「熱々です」など五感で感じたことはすべて話題になります。

人は身体の共有体験をすることで、心理的距離が縮まって信頼が生まれたり、記憶に残ったりするといいます。

合宿で仲間意識が生まれたり、懐かしい曲を聴いて昔の恋人を思い出したりするのは、共有体験があるからでしょう。