嫉妬される人ほど、自分を貫いている

ディスりの大半は、嫉妬なのかもしれません。

自分と他人との歴然とした差は、本来努力で埋めていけば成長できるはずなのに、談志は「芸人なんて、そもそもが嫉妬の塊みてえなもんだ」とよく嘆いていたものです。そんな芸人たちのマイナス感情を、若いときにいやというほど浴びてきた談志が誰にも影響を受けずに自分の遺伝子を残したいとの想いで、命がけで作り上げていったのが立川流なのかもしれません。

今振り返ると、前座時代に感じていた厳しさは、その裏づけとなる覚悟の度合いを求めたものだったゆえ、当然だったのではと教えを嚙みしめています。

大衆の声なんて無視していい

長い人生では、誤解も含めて、あなたも何か悪く言われたりするときがあるかもしれません。そんなときには思い詰めることなく、談志の落語を聞いてみてください。「談志なら俺の気持ちをわかってくれる」という感じで頼ってみましょう。

立川談慶『落語を知ったら、悩みが消えた』(三笠書房)
立川談慶『落語を知ったら、悩みが消えた』(三笠書房)

そして、そんな談志の落語を分かち合えるような友を一人見つけてみましょう。必ず一人ぐらいはいるはずです。よく談志は「俺のファンは、世間に受け入れられない頭のいい奴が、傷口なめ合う感じで落語を聞きにくるんだ」とまで言い切り、ファンを大切にしていたものです。かつては私も、そんな中の一人でした。

自分流を貫く皆さん、談志そして談慶をくれぐれもよろしくお願いします。舞台でお待ちしています。

繰り返します。あなたにとっての“大衆”からの評判は、無視しても大丈夫ですよ。

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