「実力重視」「運重視」を読み解くテスト18の項目

次のページに様々な文が並んでいます。それを読んで、あなたがそれらの意見についてどのように思うか、それぞれの質問に「4点=そう思う」「3点=ややそう思う」「2点=ややそう思わない」「1点=そう思わない」の4段階で回答してみてください。

*印は逆転項目なので、「1点=そう思う」「2点=ややそう思う」「3点=ややそう思わない」「4点=そう思わない」とします。

最高だと72点、最低だと18点で、点数が高いほどあなたは内的統制、つまり「自分の力が結果に関係する」と見なしていることになります。

なお、この「統制の所在」は自己効力感と似た概念ですが、学術的には異なるものとして扱われています。

運を信じる人ほど、実は不幸になりやすい

統制の所在(LOC)については数多くの研究が行われており、統制の所在が決定要因となっている事象も多く示されています。

例えば面白いのは、低所得であっても、内的統制の強い人はあまり不幸を感じていないという研究です。

内的統制が強いと、「所得が低い」という状況も自分の力で変えられると信じているため、そこまで不幸だと感じないのだといわれています。「自分が努力しさえすれば所得は上げられる」と信じているともいえるでしょう。

一方、「全ては運で決まる」と思っている外的統制の強い人は実際にあまり努力をしないことが、リハビリの研究で明らかになっています。

病気や治療に関する統制の所在を測定するための、「Multidimensional Health Locus of Control」という尺度があり、医療関係の研究ではこれがよく用いられています。質問項目の一部を紹介すると、

「病気になったときどのくらいで治るかは、自分自身の行動で決まる」
「私が何をしようと、病気になるときはなるものだ」
「私は自分の健康を自分でコントロールできる」
「私の家族は、私が病気になったり、健康を維持したりすることに大いに関係がある」
「私の健康は、主に幸運の問題である」
「私の健康に影響を与える主なものは、私自身が行うことである」
「自分の体調に気を付ければ、病気になることはない」
「健康に関しては、医師に言われたことをやるしかない」

というようなもので、これらの質問に「強く反対する」の1点から「強く賛成する」の6点までの6段階で回答します。

これを用いて、脳卒中の患者のリハビリ効果と、統制の所在の関連を調査した研究があります。

結果は、リハビリ開始時の内的統制が強い人(つまり「自分の力でどうにかできる」と思っている人)ほど、リハビリ後の自立度(介助なしで行える身の回りの行動の数)が向上しており、統計的に有意な正の相関(r=0.72)があったというものでした。

この研究では同時に、高齢者は若年者よりも内的統制が弱いことも示されています。年を取ると「自分が頑張ってもなるようにしかならない」という気持ちになっていくということなのでしょうか。

また同様に、慢性腰痛に対するリハビリの効果を調査した研究でも、内的統制の強い人は、治療1カ月後に症状が有意に改善していることがわかりました。

自分が頑張ればいい結果を引き寄せることができると思っている人ほど、リハビリを「努力」し、その結果として症状が軽快しているのでしょう。