耳かきをして、もし異変を感じたら…

カサカサタイプの人でも耳垢を間違って押し込んでしまったと感じたら、耳鼻科で取ってもらいましょう。

また、「お風呂で水が入ったまま抜けない」という人は、耳垢が水を吸っているのかもしれません。それも耳鼻科で簡単に取れます。もしも出血をともなう著しい量の耳垢が取れたなどの異変があれば、すぐに病院へ行きましょう。

耳掃除をし過ぎると咳が出ることがあります。敏感な人だと耳を触るだけで咳が出ることも。咳が出るのは、外耳道に咳を出させる神経が走っているためです。異常ではないので心配しないでください。

我慢できないほど耳が「不快」「かゆい」などと感じるときは、耳全体を冷やすのが有効です。耳掃除でかき過ぎるとヒスタミンが出てさらにかゆくなります。

マキロンなどの殺菌消毒液を少し綿棒につけて、耳の入り口から1センチの範囲をクルクルと2回転させて掃除しましょう。シュワシュワとした刺激で耳垢を溶かしつつ、消毒をし、かゆみを抑えてくれます。

そして、最後に1回、乾いた綿棒を転がして拭き取りましょう。綿棒は、そっと優しく使ってください。私のクリニックでは、「中に仔猫がいるくらい優しいタッチで」と患者さんに話しています。

とにかく、耳はいじり過ぎないこと。もっと言えば、「少し汚れてるかな?」ぐらいが耳の健康にいちばんです。耳掃除のときに耳毛を抜くのもやめておきましょう。

耳によくない意外な習慣

毎日の耳掃除の習慣が、かえって耳によくないと知って驚いたかたも多いのではないでしょうか。ほかにも意外なところに耳の健康を損ねるリスクが潜んでいます。まず次のチェックリストをやってみてください(図表1)。

いかがでしたか。「テレビでドラマを見ている」「タバコを吸っている」や「甘いものが好き」など、難聴や耳鳴りとは関係なさそうな項目が入っていますが、いずれも「耳の老化」を進める要因です。