たとえば、お酒を飲み過ぎたり、甘いものを食べ過ぎたりする人は、血流が悪くなりやすくなります。耳周辺の血流の悪化は、耳を老化させる大きな要因になります。このような生活習慣を長年続けると、確実に耳の老化は進みます。

もしひとつでもチェックがついたら、遠からず「耳鳴り」や「難聴」に苦しむことになる可能性が高いといえるでしょう。

耳栓をずっとしていると、蒸れて外耳炎になることがあります。一日中リモート会議をしているような人も、耳栓タイプのイヤホンは耳を塞いでしまうので、やめたほうがいいでしょう。

工場や工事現場で仕事をする人には耳栓は必要です。長時間大きな音にさらされているからです。この状態を「騒音曝露そうおんばくろ」といい、耳に大きな負担がかかります。

「耳栓」は必要な時だけでいい

しょっちゅうカラオケに行く人や、音楽を大音量で流している店で働く人も騒音曝露になります。どんなにきれいな音でも、音量が大きければ、耳にとっては騒音です。不快に感じるような汚い音でも、音量が小さければ問題ありません。

音量が大きいコンサートでも騒音曝露になります。そんなときには「コンサート用の耳栓(ライブ用耳栓)」をするのがおすすめです。音質を損なわずに、音量だけを抑えるようになっているため、騒音曝露を防げます。耳が蒸れないように、終わったらすぐに外してください。

耳栓をする男性
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「耳鳴り」とは、周りで音がしていないのに、ジージー、キーン、ボーボーなどの音が聞こえてしまう症状です。血圧が上がったり、更年期障害のひとつとして起きたりすることもありますが、原因や症状は百人百様です。

「ときどき軽いキーンという音を感じることがあるものの、10秒ぐらいで収まるし、日常生活に支障はない」という程度の耳鳴りは、多くの人が経験しています。私にもそういう耳鳴りはあります。この程度であれば気にする必要はないでしょう。耳鳴りには、それを気にすることで症状が悪化したと感じる側面があるので、少々の耳鳴りは気にしないほうがいいのです。

とはいえ、耳鳴りのせいで日常生活に支障が出るようになったら、話は別です。しかも、最近、診療の現場で気になるのは、やけに若い人の耳鳴りが増えているということです。リモート会議で長時間イヤホンを着けている時間が増えたことも一因でしょう。