歳をとっても血圧が高くなりすぎない人は、毎日おやつにチョコレート

大手食品会社の明治と愛知学院大学、愛知県蒲郡市が産学官共同で行った研究報告が高齢者に興味深い内容です。

45〜69歳の市民347人に、高カカオチョコレートを1カ月間毎日食べてもらい、生活習慣病の予防効果を調べたものです。全員の平均値を見ると、実験前よりも最高血圧が2.6ミリHg、最低血圧が1.9ミリHgも低くなったとのこと。

しかも、もともと高血圧の人のほうが、正常血圧の人よりも血圧の低下量が大きかったそうです。高カカオチョコレートが高血圧を改善するのに有効と結論づけられました。ただし、血圧が高いほうが頭がハッキリする人もたくさんいます。

この血圧を抑える効果は、カカオポリフェノールの働きによるものと思われます。傷んだ血管壁に抗酸化作用の高いカカオポリフェノールが作用し、血管が広がって血流が良くなり、血圧が低下したと考えられています。

チョコレートにはカカオポリフェノールの他にも、フェニルエチルアミンという物質が含まれています。これは「恋愛ホルモン」ともいわれ、恋をしたときに脳内に分泌される神経伝達物質です。

チョコレートを食べると、その働きによって高揚感を覚え、気持ちがポジティブな方向に誘導されたりします。また他にも集中力や記憶力を高めるテオブロミンや、緊張やストレスをやわらげるGABAなどが含まれており、これらの効果によって精神状態が良好になっていきます。

高カカオチョコレートは、食物繊維が豊富なので、血糖値を急上昇させることもなく、有効成分のメリットも得られます。

カカオ豆と板チョコレートとカカオパウダー
写真=iStock.com/JanPietruszka
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