余裕のない教員から民間へ委託するのはどうか
応援団による応援合戦があると、たしかに運動会は盛り上がります。コロナ禍のときは応援合戦がなく、さみしく感じました。しかし、いざ応援団が再開してみると、休憩時間もとれていない、給食をゆっくり食べる余裕もない、残業や持ち帰りの多い今の学校教員の働き方では、指導をする余裕は全くないのが実情です。
でも、子どもたちが活躍できる場が少しでも増えればと思い、教員たちは応援団指導をしているのです(例年通りの応援団を望んでいる教員や親御さん、地域の方もおられます)。ちなみに、運動会の応援合戦は、学習指導要領に「しなければならない」と書かれていません。
応援団は、冒頭に書いた通り、所属する子どもが高学年の数人に限られています。体育の水泳指導や中学の部活指導が民間に委託されるようになってきているのと同様に、地域や民間との連携を進めていくのが教員の「持続可能な働き方改革」の第一歩になると考えます。子どもたちのその保護者、そして学校と地域の理解が進めば改善するはずです。
就学時健康診断が貴重な休憩時間と丸被り
2つ目は、「就学時健康診断」です。
これは新1年生が入学前に視力や聴力や内科、眼科などの健診を受けるものです。来年度、小学1年生になる年長の園児が、11月ごろに小学校に来て、さまざまな健診を受けます。
長年、小学校が会場になり、教職員が企画案をつくり、新1年生の住所に案内葉書を出し、当日の誘導や案内や健診もしています。しかし、そもそも法的には、この業務は学校の教職員が行うものではありません。教育委員会の業務です(ただ、入学予定児童数が多く、会場や健診に関わる人員などの確保が困難なため、各学校に業務が下りてきているのが実情です)。
しかも、この就学時健康診断は放課後なので、教職員の休憩時間中に行われています。私の場合、休憩時間は15:15〜16:00に設定されています。就学時健康診断は、学校の規模によって違うのですが、14:30ごろから16:00ごろまでと休憩時間に被っていて、振り替えもありません。
就学時健康診断の担当になった教員と教務主任、養護教諭の業務は以下のようなもので、負担はかなり大きいです。
① 事前に案内はがきを郵送する
② 講堂まで誘導する
③ 自転車で来校した保護者のために運動場に駐輪場を設ける
④ 検診をする教室や講堂をきれいに掃除して、検診ができるように机や椅子を移動させたり、置いたりする(そして、検診が終わったら元の場所に戻す)
⑤ お医者さんを検診場所まで案内する
⑥ 視力検査や聴力検査などは教員が行う
⑦ 保護者が持ってきた書類や検査結果の記入した書類に漏れがないか確認したり、回収後に名前の順番に並べ替えたりする
⑧ 就学時検診の実施にあたって、企画書を作成し、部会で検討し、職員会議で提案する