よりハードな教育委員会の働き方改革も必須

また、内科検診や眼科検診は学校の近くの病院の医師が来て行いますが、視力検査や聴力検査は医師でもなく養護教諭でもなく、教員が行います。そのため、医師と同じレベルでは検査できません。事前に、かかりつけの眼科や耳鼻科で医師に受けた検査結果と違った場合、親御さんからクレームを受けることもあるのです……。

就学時健康診断の実施にかかる時間は、新1年生への案内葉書作成に最低2時間、企画書の作成と検討に最低2~3時間、前日の会場準備に1~2時間、当日の案内・診断に2~3時間です。その後の片づけや書類整理に1時間程度です。

法的にも、学校の業務ではないので、学校の教職員以外に移行していくのがいいかと考えます。たとえば、法律通りに、教育委員会が主導となり、区役所や区民センターで実施するのです。そのことが教員の業務改善、適正化の第一歩になるかと考えます。

もちろんそのために、教育委員会で勤務する方の業務の見直し、改善も必要になります。教育委員会で働かれる方の業務量は学校の教職員よりももっともっとハードだからです。

それができないようなら、休憩時間と重ならないように冬休みに日を設定するか、休憩時間の振り替えをしっかりと設定すべきです。

新1年生の子どもたちと保護者には、学校説明会と学校公開日を設けれるだけでいいはずです。それと、必要に応じて教育相談を個別に受けられるようにすればいいはずです。

小学校の教室
写真=iStock.com/urbancow
※写真はイメージです

1日1500枚以上のチラシを仕分けて配布

3つ目は、「チラシの配布」です。

学校には、さまざまな機関などから1年生から6年生の子ども全員分のイベントチラシや新聞が届きます。年200日ある登校日のほぼ毎日です。

届いたチラシの束を職員室で各学級の子ども分に仕分けて、それを学級担任が子どもに配布します。これがものすごく手間です。せめて、各クラスの児童数に分けたうえで届けてほしいものです。

多いときは、1人の子どもに1日4~5枚あります。私がこれまで勤めた学校の規模は、1学年2学級、全6学年12学級で、児童数は380人程度でした。つまり、1500~1900枚を毎日のように処理しているのです。