結婚したいができないと悩むアラフォー・アラフィフは少なくない。アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんは「婚活では、自分が結婚相手にどのような条件や人物像を望んでいるかを明らかにすることが必要だ。しかし、その中には『年下』『居住地しばり』といった、出会いの可能性を狭めてしまうNG条件もある。強いこだわりのその背後にある思いを掘り下げることこそが重要だ」という――。
庭でおしゃべりするカップル
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

「理想の人リスト」にいれてはいけないもの

婚活沼とは、結婚する決断しないままずるずると婚活し続け、異性との間に起こる現実に一喜一憂する状況を指す。

婚活沼にハマってしまう理由は人によってさまざまだが、そのひとつが「出会いの可能性を狭めてしまう条件をかたくなに掲げていること」だ。

婚活をする際に、わたしは、理想の結婚相手に求める条件をまとめた「理想の人リスト」を作ることをおすすめしている。自分にとっての理想の人を言語化することで気づけることや、引き寄せる縁が確実にあることを、自身、多くの受講生の体験を通して実感してきたからだ。しかし、NG条件をリストに入れてしまうと、むしろ縁を遠ざけてしまうことになる。

今回は、条件にこだわり過ぎて婚活がうまくいかなかった2人の女性の事例を紹介する。

※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

「年下じゃないとイヤ」と語った38歳キャリア女性

38歳のF絵さんは、化学メーカーの営業職。すらりとしたスタイルのキレイ系の女性で、いつも「年齢よりも若く見える」といわれるという。そんなF絵さんが、結婚相手に譲れない条件のひとつが「年下」であること。その理由は、彼女いわく次のようなものだった。

「これまでも年下の人としかつきあったことがない」
「上から目線でものをいわれるのがイヤ」
「年上の男性の匂いや外見が苦手……」

F絵さんは、高校を卒業してすぐにいま務めている会社に入った。勤続20年になる現在は、営業チームのリーダーとして、社内外から頼りにされる存在だ。

F絵さんが婚活アプリに登録しているプロフィールには、最初に「高卒ですが、仕事をがんばっています」という一文があった。「大学は出ていなくても、会社で努力してキャリアを積んできた」という事実が、F絵さんのプライドを支えているのだろう。

しかし、婚活市場で女性が「年下」の男性を希望することはおすすめしない。むしろ「年下」はNGワードといっていい。

婚活では、男性は基本的に自分よりも年下の女性を希望する。そのことの是非はともかく……、年下の男性を希望すると、それだけでマッチングのチャンスが激減してしまうのだ。

もちろん、一般社会ではそのようなことはない。職場や飲み会の席で出会った相手が「たまたま年下だった」というのはよくあるケースだ。初対面の人にいきなり年齢をきくことはないから、実年齢よりも若く見える人は、それだけ多くの出会いに恵まれる。

けれど、婚活ではまず年齢で判断される。たとえどんなに若く見える人でも、年齢という数字を基準にターゲットから外されてしまうのが現実だ。くりかえすようだけれど、その是非はともかく、だ。

私は基本的には「理想の人リスト」には、妥協をしないでどんなことでも書くといい、とお伝えしている。「年下」という条件をNGにするということは、そのことと矛盾するように思われるかもしれない。けれど、そうではない。

大事なのは、「年下がいい」という自分の思いを掘り下げることで、自分がパートナーに望む人物像をより鮮明に浮かび上がらせることだ。