クラブ活動や海外留学などを期待する傾向に
そして、大学で期待する経験としては、「クラブ活動・サークル活動等の課外活動」を1位に挙げた企業は43.2%、3位までに挙げた企業は72.1%、「海外留学など国際交流活動の機会提供」を1位に挙げた企業は31.1%、3位までに挙げた企業は76.3%となっている。
つまり、大学入学時のような学力試験一発勝負といった就活はなく、学力以外の要素で判断される比重が高まるということだ。
さらに、「アルバイト等の社会経験」を3位までに挙げた企業は46.8%と半数に満たず、「インターンシップ等の企業等での就業経験」を3位までに挙げた企業も47.9%と半数に満たないが、インターンシップについては、「就活の一環として位置づけるべきである」が10.7%、「学生と受け入れ企業の両方が希望する場合は採用に繋がることが望ましい」が62.9%もある。
このことからも、アルバイトや他社でのインターンシップの経験よりも、自社でのインターンシップで、学生のことをより深く知った上で採用判断をしたい、という意向があることがわかる。
だからこそ、いわゆるFラン大学であっても、大卒であれば新卒一括採用という枠組みにエントリーする資格があり、大企業に就職できるチャンスがあるのだ。
国際的には日本の経営層は低学歴
日本の社会では働き始めれば、学歴や学力の比重は下がるとはいえ、世界的にみれば学歴の重要度は上がっている。一方で、日本の民間企業経営層の学歴は、国際的には低学歴であることが歴然としている。
文部科学省の科学技術・学術審議会人材委員会(第92回)令和3(2021)年10月21日の資料2-2「博士人材のキャリアパスに関する参考資料」を見ると、従業員500人以上の日本の企業役員等の最終学歴は大卒が64.4%で大学院卒は11.6%だが、米国の上場企業の管理職等(役員ではないことに注意)では、人事部長の46.7%が修士、14.1%が博士、営業部長の40.2%が修士、5.4%が博士の学位を持っている。
部長クラスでこうなので、企業の役員のほとんどは修士以上だと思って良いだろう。
また、外務省国際機関人事センターのホームページには、「国際機関では、(中略)応募するポストと関連する修士号以上の学歴を有すること(中略)国際機関で求められるような専門分野において修士号を取得できる大学であれば、どの大学でも問題ありません」という記載があるように、国際的には修士以上の学歴がなければ、エントリーすらできないのが実態のようだ。