お寺・神社で販売のろうそく・線香・供花・数珠・絵葉書も現金払い

寺院や神社ではさまざまな物販が行われている。おみくじやお守り、御朱印などのほか、ろうそくや線香、供花、数珠、絵葉書などを販売するケースもある。飲食や駐車場での売り上げを計上する寺社もある。

本論とは少し話が逸れるが、宗教法人で扱われる物品やサービスには、課税されない「非収益事業」と課税される「収益事業」とに分けられる。

たとえば先出のアイテム(おみくじ、お守り、御朱印、ろうそく、線香、供花、数珠、絵葉書、飲食、駐車)のうち、あなたは非課税と課税とを分けられるだろうか。

正解は、おみくじ・お守り・御朱印のみが非課税である。他方、ろうそく・線香・供花・数珠・絵葉書・飲食・駐車場などには課税される。

非課税と課税を分ける基準はややこしいが、要は「その宗教施設のみで提供され、かつ宗教行為を伴う物品やサービス」は非課税扱い。「コンビニなどでも販売できる類のもので、通常の販売価格で売られているものは課税」とされている。

判別が難しいのが数珠。宗教用具であり、一見非課税のように思えるアイテムだが、コンビニや100円ショップでも販売されている。そのため課税対象となる。

数珠を持って祈る
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こうした寺院における物販や、サービスの多くもいまだ現金決済である。本来はキャッシュレス決済のほうが、支払う側は便利だ。宗教法人の物販には非課税と課税が混在しており、売上げを分けて計上しなければならないが、管理する側にとってもキャッシュレスのほうが、はるかに利便性が高いはずだ。

また、多くの寺院では、檀家から徴収する墓地管理料や法事・葬儀の布施などの収入がある。これらについても、現金主義が貫かれている。管理料について銀行振込やカード支払いを取り入れている寺は、先進的なほうだ。高齢化、核家族化で檀家が寺に足を運べない時代がやってきている。キャッシュレス化を進めることこそが、弱者への「寄り添い」になる側面もある。現金主義にこだわり続けると、檀家離れを加速させることにもなりかねない。

他方で葬儀や法事の布施については、檀信徒が法要後に、現金を帛紗ふくさや袋に包んで、住職に直接手渡すのが「慣習」であり「マナー」にもなっている。布施は、賽銭と同じ「喜捨」(信者が喜んで差し出すこと)であり、カード・コード決済では、どこか悲しい。