受動攻撃や意地悪をしてくる人への対処法

では、明確な意図を持った悪意のある攻撃的な言葉をぶつけられたり、嫌味や嫌がらせをされたりする場合、どのように対処したらいいのでしょうか。

私がいつもお伝えしているのは、

自分自身が「相手の下」に潜り込まないように注意する

ということです。

受動攻撃をする人、意地悪する人、悪意を明確な意図として持って攻撃してくる人は、無意識的にも意識的にもターゲットを選んでいます。

まずはそのターゲットに選ばれないように意識することが大事になります。

攻撃者がターゲットを選ぶということは、自分自身が相手からの反撃を何よりも恐れている証拠です。自分よりも意志が弱そう、反撃してこないと思われる、見下してバカにできるとみなした人間を無意識に狙ってきます。

大鶴和江『「ずるい攻撃」をする人たち』(青春出版社)
大鶴和江『「ずるい攻撃」をする人たち』(青春出版社)

そういう悪意を跳ね返す一番の特効薬は、相手に淡々と冷静に接するという態度を取ること。相手の悪意を受け取らないという姿勢を見せることなのです。

しかし、対人恐怖が強い「怯える人」はなかなかすぐにはその特効薬が使えません。

だからまずは自分自身がそのような悪意をなぜ受け取ってしまうのか、なぜ支配下に入ってしまうのか、そのような攻撃的な人物を何よりも恐れているのは、何かのトラウマや恐怖の経験や、支配的な親に育てられた経験から出てきたものか、を精査して掘り下げていくことが必要になります。

そうすると原因になるものが必ず見つかります。

相手にいい顔をすることが、かえって相手の攻撃性を引き出す

私は幼少期にいじめを受けてきたのですが、その自分の経験から考えても、そうです。相手の攻撃をどこかで無意識に避けて、自分の意見や言葉を自分自身が表現せずに、相手にどこかで嫌われることを恐れて屈していたことを思い出します。

嫌われることを恐れて相手にいい顔をすることが、かえって相手の攻撃性を引き出してしまうことも学びました。

相手はあなたを使って自分の不満やストレスを解消しようとしているわけですから、あなたには関係のないものをぶつけられている、と解釈したらいいでしょう。

ですから、相手のいじめや意地悪を受け取らない、ノーと言って断る、自分の立場が弱い場合はより強い立場の人の力を借りる、公に訴える。つまり、いじめや悪意をそのままにしない、という態度が非常に大事なのです。

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