自社株を持つ経営者が株価を上げるべく努力

米国の企業は歴史的にもそうやって利益を増やし、損益を最小限に抑えてきました。というのも米国の企業の主人公は、株主だからです。株主のためにリストラをして、株主のために損益を抑える。そうした姿勢が、業績にも反映されていると思います。

もうひとつ、米国では株主の監視の目が、非常に厳しい。そのため不祥事が発生しにくいことはよく言われます。また「業績アップ=株価アップ」という法則も、よく耳にすること。その理由は、経営者と株主の利害の一致にあります。米国企業の多くは、経営陣の報酬の一部として自社株を受け取る場合が少なくありません。彼らの自社株保有残高の割合は、日本の約3倍にも上ると言われています。つまり自社株を保有する経営陣が真摯に仕事に向き合い、業績が上がると株価も上昇、自身の資産も増えていくという好循環。反対に業績不振に陥れば、資産は減少する。だから彼らはよく働くのです。

一方日本ではどうでしょう。自社株を保有する経営者らは少なく、株価の変化にも無頓着になりがちです。そのため株主を無視した経営になってしまう場合も。上場企業で事件や不祥事が起きても、一度上場すればよっぽどのことがない限り、日本では上場廃止はされません。これも米国の企業の不祥事に比べて、日本のそれが目立つことと無縁ではないでしょう。

ほかにも米国株の魅力と言えるポイントは多数あります。駆け足で紹介すると、まず資源があること。それから、食料自給率が高いので自給自足もできてしまうこと。さらに防衛費が世界でダントツであることも大きいことです。そして何より、米国にはイノベーションがあることが大きな強みになっています。

2023年 世界で最もイノベーティブな企業トップ50

イノベーティブな企業トップ50のリストで見ると、アップル、テスラ、アマゾン、アルファベット、マイクロソフトなど、上位の50社のうちおよそ半分が米国の企業です。時価総額でもトップクラスの企業ばかりですから、それは株価も上がるはずです。