そして最後の買い方が、個別銘柄で海外株を買う方法です。ただし問題は、何を買うか。アメリカのNo.1ファンドマネージャーといわれたピーター・リンチが昔から、「自分が消費者としていいと思った企業の株を買うのが一番いい」と言っていますが、これには私も同感です。そこで紹介したいのが、初心者でも比較的組み立てやすいコア・サテライト運用という方法です。

コア部分には、S&P500のような株価指数に連動し、市場全体の動きに追随する投資信託やETFを置いて、市場並みのリターンを得ます。一方、その周りに「攻め」の銘柄を5〜6つ置き、ハイリスク・ハイリターンの投資にチャレンジするのです。

おすすめの構成は、コアにS&P500や、長期的に増配を行っている銘柄で市場の動きに連動して、年に4回の配当金も受ける「守り」を配置。サテライトには、例えば今ならAI関連の元気のいい株を持ってくるのもいいですね。攻めと守りの両輪で、夢のある投資が可能になると思います。

金利の引き下げなどで3年間2桁成長が期待

海外株のなかでも、投資すべき代表選手と言えるのが、米国株です。前出の米国S&P500の推移(ドル建て)を見ても、1928年から現在までの100年足らずの間に、米国株は約301倍もの伸びを見せています。加えて米国では人口も継続的に増加している。つまり経済大国の安定感をもちながら、新興国のような成長力を同時に続けているのが米国なのです。

S&P500の1928年からの推移【ドル建て】

株価も同じです。どれだけ成長した企業でも成長が止まることはなく、米国の株価はいつまでも上がり続けることが期待できます。米国ではもう成長の余地がないと思えるような有名企業でも、実はまだまだ成長の伸びしろがあり、短期間で株価が爆発する可能性を秘めています。だからこそ消費者としての自分がいいと思った企業に投資しても、勝算は必ずあるのです。

ちょうど今の米国は、金利の上昇が上げ止まり、次はいつ金利が下がるんだろうとマーケット参加者が気にしてるところ。かたや日本は逆で、これから金利を上げていこうという局面を迎えています。どちらの国の株価指数が上がりやすいかというと、やはり金利が下がる国だと思います。

私は米国の企業業績は、ここ3年間は、2桁成長すると考えています。コロナ禍でまず業績が落ち込み、その後大きくリバウンド。再び業績が落ち込みましたが、経済がノーマル化し始めて金利も下がってくる局面で、業績が大きく成長するのではないでしょうか。

その根拠には、日本と違う米国企業の体質があります。米国の企業は常にコストカットを意識して、暴落しても、何とかして株価を戻そうという意識が非常に強い。例えば米国では、2020年8月のコロナの真っ只中に、大規模なリストラがあちこちの企業で行われました。日本でも派遣雇い止めなどが問題になりましたが、もしもあの規模のリストラを日本でやったら大問題になることは間違いありません。