独自基準のネット銀行の金利はどうなるか

ここまではメガバンクや地方銀行を中心にお伝えしました。ではネット銀行はどうなのでしょうか? ネット銀行はメガバンクや地方銀行とは異なり、短プラではない独自の基準金利を定めています。

過去、マイナス金利導入時には基準金利を引き下げているネット銀行もありますので、マイナス金利解除で基準金利を引き上げる銀行もあるかもしれません。ただ、先ほどお伝えした通り、銀行間で激しく牽制しあっていますので、メガバンクや地方銀行と歩調を合わせ、基準金利引き上げを見送る銀行が出ることも考えられます。

なお、2024年3月21日にはSBI新生銀行が4月から変動金利を0.42%から0.29%に引き下げると発表し、大きな反響となっています。まだまだ金利競争は続きそうです。

3年間で合計1.5%の利上げもあり得る

当面は低金利環境が続き、変動金利も低い状態が続くとして、中長期的にはどうなるのでしょうか? 20年後や30年後の金利の予測は経済の専門家にとっても極めて難しく、確かなことはいえませんが、私なりの考えをお伝えしておこうと思います。

日銀の利上げを後押しする最大の要因は賃金の上昇です。みなさんもご存じの通り、2024年の春闘では、大手企業を中心に大幅な賃上げがなされました。過去33年ぶりの5%超の高水準です。賃金の上昇が実現されると消費の活性化につながりますので、賃金上昇→物価上昇→賃金上昇の好循環となるでしょう。

この好循環を踏まえ、まず今後2~3年の政策金利を予想してみようと思います。日銀の利上げ判定は「物価上昇による賃上げ確認(3月の春闘)」と「賃上げによる物価上昇確認(秋ごろ?)」の年2回サイクルで行われるでしょう。ですので、賃金上昇&物価上昇が力強く継続すると、年間0.25%×2=0.5%の利上げ、3年間で合計1.5%の利上げも可能性はゼロではありません。