変動金利で借りるなら積立投資は必須

以上、長期の金利見通しをお伝えしましたが、私の見通しが100%当たるかというとそうではないところがあるかもしれません。ただ、日銀は利上げの前提条件として賃金上昇を掲げています。この前提が崩れない限り、利上げされるタイミングでは賃金は上がっています。

塩澤崇『金利が上がっても、住宅ローンは「変動」で借りなさい 1時間でわかる「新時代のお金の常識」』(ダイヤモンド社)
塩澤崇『金利が上がっても、住宅ローンは「変動」で借りなさい 1時間でわかる「新時代のお金の常識」』(ダイヤモンド社)

たとえば、年収500万円の人が3500万円の住宅ローンを組んだ場合、0.25%金利が上がると金利負担は年間約9万円増えます。一方、今年の春闘のように賃金が5%増えると収入は25万円アップし、これに加えて預金金利と積立投資の収益が加算されます。

物価上昇を加味しても、決してローンを支払えないわけではないはずです。「金利上昇」という言葉を目にすると支出だけを気にしがちですが、収入面も踏まえると金利上昇を過度に不安に感じる必要はないと思うのです。

また、賃金上昇を伴わない金利上昇ももちろんゼロではありませんが、そういうことに備えて、前回の記事で紹介した「低金利の変動金利を選び、返済額が低い今のうちにどんどん積立投資をする」を今すぐ実践してください。繰り返しですが、変動金利で借りたのであれば、積立投資は必須です!

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