根拠もないのに「自分ならうまくできるはず!」
サイコパスには「誇大妄想」という特性もあります。
彼らは、何の根拠もないのに、「自分ならうまくできるはず!」という強烈な思い込みを持っているのです。
「宝くじは買わないと当たらない」とは、よく言われます。
普通の人は、リスクばかりが頭に浮かんでしまい、「失敗するのはイヤだから、何もしないで大人しくしていよう」と考えることのほうが多いでしょう。しかし、サイコパスはリスクが大きい場面でも遠慮はしません。
自分なら絶対にうまくいくと信じ、果敢に挑戦することができるので、ビジネスでの成功や出世につながりやすいのです。
どんなに若かろうが、経験が浅かろうが、サイコパスは自信を持って取り組みます。「念ずれば通ず」という言葉もありますが、自分ならうまくやれると信じてがむしゃらに取り組んでいると、本当にうまくいってしまうことも少なくありません。
緊張せず「交渉ごと」に強気で臨める
難しい交渉になると予想される場合、交渉の担当者にサイコパスを割り当てると、うまくいく見込みが高くなります。
交渉相手が、自社よりも大きな企業であったりすると、普通の人であれば緊張してうまく交渉できませんが、サイコパスなら大丈夫。大企業を相手にしても、緊張することがありません。もともと無感情ですので、相手の目を平然と見つめて堂々と交渉してくれるはずです。
カナダにあるブリティッシュ・コロンビア大学のリサ・クロスレイは、106名の大学生にサイコパステストを受けてもらい、その後、コンサートのチケットの売り手と買い手に分かれて、20分間の擬似的な交渉をしてもらいました。
その際、対面での交渉と、コンピューターのチャット機能を使った交渉の両方を行なってもらいました。
その結果、サイコパス度の高い人ほど、対面での交渉では自分のほうが有利になるように交渉をまとめることがわかりました。サイコパスは、売り手としても買い手としても、厚かましいくらいに強気にガンガン攻めていくので、利益を勝ち取ることができるのです。
一方、サイコパスでない人は、コンピューターを介したときのほうが交渉結果はよくなりました。対面でないほうが、緊張せずにうまく話をまとめられるのです。