ここ数年で坪単価は2倍以上に急上昇
価格推移を見てみるとパークタワー勝どきの一次販売(2020年)では坪単価300万円台の物件もあったが、2024年5月時点で、売りに出されている物件の坪単価は900万円台が多く見受けられ、1000万円台も目立つようになってきた。もちろん成約価格ではないため、一次販売価格と単純比較はできないものの、ここ数年でも坪単価は2倍超となっている。
何か一つ「コレだ!」という圧倒的に優れた何かが出現したわけではなく、大江戸線が開通し、タワマン増加で街全体がにぎわい、勝どきという立地の優位性が広く知れわたったことが人気になった要因だと思う。
都心へも近く、もともと立地的に魅力がある土地柄。大江戸線は線路が深くて時間がかかる、駅が狭い、埋め立て地であるなど、勝どきにネガティブなイメージを持っている人もいるかもしれないものの、住んでいる人は気にしていないだろう。
終電を逃しても、銀座からはタクシーで1000円
自転車を使えば、築地、銀座、月島まで10分もかからず、お台場方面へは有明までも移動可能な範囲。また、都営バスやBRT(バス高速輸送システム)などの地上の交通網も便利で、階段を使わずに幅広い方面へアクセスできる。
曜日や方面にもよるものの、比較的、時間の乱れが少なく、本数も多いので、大きなストレスになりにくい。銀座までの距離の近さを魅力的に感じる人も多く、終電を逃して飲んでいても、勝どきまでタクシーでは1000円前後で帰れるのだ。
また、単身者でも家族がいても暮らしやすいのは魅力的。スーパーやドラッグストア、コンビニもあるので日常的な買い物に困ることが基本的にはない。歩道の多くは歩車分離かつ幅が広いので、子どもでも安心して歩ける。少し足を延ばせば、豊洲のららぽーとや有明ガーデン、有楽町のマルイなどの商業施設もある。
学生たちが住むエリアではないので、騒がしい様子もなく、落ち着きがあるのは昔から変わらない。少し歩いて川沿いに進むと、タワマン群やレインボーブリッジも見渡せる。地上からでも開放感を感じるのだから、タワマンの上層階から見える眺望は格別だろう。
こうして住みたい人が増え、価値に目をつけた海外投資家の参入によって価格が上昇し、またさらに注目を集めるという循環によって、勝どきのブランドが確立されていったように思う。