上下関係がないZ世代にこそ「チーム」が効果的

私たちバブル世代は、団塊の世代の薫陶を受けて育ちました。その精神性は「がんばれ」です。昨日より今日、今日より明日を頑張れば、成果を出せた時代です。

しかし今や日本は失われた30年から40年目に突入しています。先行き不透明な時代になり、過去の成功事例が通用しません。

儒教の影響を受けている日本人は、「年上を敬え」という精神性があります。しかしZ世代はSNSの住民で、先輩後輩も関係なく生きてきた世代です。これからは、世代をまたいで協働しながら未来を創造していく時代なのです。

これまでもグチ活を経て、多くの部署のチームワークが強化されました。お互いのグチを共有することで「親密性」が生まれ、さらに問題を協働して解決したという経験を積むことによる一体感が醸成されるからです。わからないことを上司に聞けず、属人的な仕事の進め方をしていた若手にも確実に変化が訪れます。

オフィスで浮かない顔のビジネスマン
写真=iStock.com/maroke
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「イマドキの若者」で片づけてはいけない

Z世代が転職を前提にしている以上、一部の若手の退職は阻止することはできません。しかしキャリアチェンジをしたいという人は世代関係なくいますし、その人たちを引き留めるべきでもないと思います。それよりも、上司や先輩との関係性に悩んで退職していく若手を減らすことに注力したほうが、魅力的な組織風土を築くことにつながります。

私たちはZ世代の思考を「イマドキの若者」論に終始することなく、世代間ギャップにある本質を見つめて、建設的に議論できる場を作るべきです。前述した「グチ活」を取り入れて、本音で語る風土を作りましょう。誰もが組織の問題を解決して、生産性が高く、風通しの良い職場を望んでいるのです。今こそ世代の違いを超えて胸襟を開くときです。

このレポートが、世代間のギャップを克服するきっかけになることを切望します。

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