怒りが収まらない取引先をなだめる

【TECHNIQUE】「オウム返し」を駆使し、ひたすら聞く

怒りが収まらないということは、相手は怒りをぶつけたい状態にあります。次々にいろいろなことを言われるでしょう。

しかし、こちらの対応としては謝りながらそれを聞くだけです。その意味では、対応はとても簡単といえます。

このとき、相手の言っている内容をそのまま繰り返すと、不思議なことに相手は堰を切ったように話し出します。これをオウム返しのテクニックといいます。

「あ、彼がそんなことを言ったんですか……。申し訳ございませんでした」

「1日納期がずれていましたか! 申し訳ございませんでした」

このように相手の言った言葉を入れて、謝罪を繰り返していくのです。

さらに、メモを取りながら話を聞くとよいと思います。これは大切な内容を書き留めるだけではなく、あなたの話を親身に聞いているというメッセージを送る意味があります。

注意すべきポイントは怒っているとわかったら即座に対応すること、絶対に反論をしないことです。明らかに誤解があり、こちらは何も間違っていないのに相手が怒っている、という場合でも反論をしてはいけません。

たとえば明記してある条件に先方が気づかず怒っていたら、まずはひたすら相手の言い分を聞いてあげます。そして一段落したところで「ところで、ちょっと確認したいことがあるのですが……」と自ら間違いに気づくような方向に持っていけばよいのです。

最初から「条件はこうなっていますよ」と言ってしまうと、「バカ野郎、そんなこと聞いてないぞ!」と火に油を注ぐだけの結果になってしまうでしょう。

逆に非が完全にこちら側にあり担当者レベルでは怒りが収まりそうにない場合、先方と何とか関係を修復したいのであれば、上司やさらに上の立場の人間に同行してもらい、日を改めて謝罪するのが常道です。

何より重要なのは謝罪を終え、怒りが収まった後の対応です。激しく怒られた相手とはもう顔も見たくない気持ちになりますが、実は関係を強固にするチャンスでもあります。

怒られた後だからこそ、あえて接触頻度を増やし関係強化に取り組むべきでしょう。