「繊細な相手」には本心を伝える

【澤円】気をつけたいのは、相手が繊細で傷つきやすいタイプの場合です。注意をしたりなにかを指摘したりする場面では「ネガティブに受け取られるのでは?」と難しさを感じることもありそうです。

【戸田久実】つい最近の研修で、ひとりのマネージャー層の人からまさにそういった相談を受けました。わたしがその人に伝えたのは、「素直に率直に向き合ってはどうか」ということでした。

「繊細で口数が少ない相手に対して、あなたはどのようにコミュニケーションを取りたいのですか?」とわたしが聞くと、それに対する回答は「無理なことは無理だ、できないことはできないといってほしいし、我慢をしてほしくない」というものでした。

だとしたら、「そうしてくれたほうが自分も楽なんだ」という言葉を添えて、やはりそのまま本心を伝えたほうがいいと思うのです。腫れ物に触るようなコミュニケーションを取ってばかりでは、相手との距離は永遠に縮まりません。

【澤円】確かに、先の思い込みの例にもいえますが、「ネガティブに受け取られるのでは?」といった勝手な想像をしたところで、それだって思い込みに過ぎないかもしれませんね。その思い込みに縛られて行動やコミュニケーションが取れないとなるとなにも解決しないのですから、素直さというものも大切なのかもしれません。

(構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=清家茂樹)
【関連記事】
【第1回】価値観を押し付けて「怒り」をばらまいている…周囲と衝突を繰り返す人がよく使う「2文字の言葉」
だから「優秀な社員」ほどどんどん辞めていく…部下のやる気を吸い取る"残念な上司"のヤバすぎる口癖
人生がうまくいっている人は絶対に言わない…心理カウンセラーが教える「不幸になっていく人」の残念な口癖
シチューの日にわが子の"能力"がわかる…医学部合格者が急伸の豊島岡女子学園校長「自分で考える子の育て方」
なぜ孫正義社長は「すぐ電話をかけてくる」のか…仕事がデキる人がメールより電話を多用する本当の理由