見知らぬ人の幸せを願うと自分の幸福度が高まる

また、「見知らぬ人でいい」というのも、面白い点です。

ともすれば、知らない人のことは、ネガティブに評価しがちになるのが人の常――。

生存率を上げるためには、知らない人は警戒すべきという本能のはたらきがあるからです。

でも、心の中で見知らぬ人たちの幸せを願っているだけなら、彼らと直接かかわることはないので、危険が伴うわけではありません。

実質的に、自分には無害。

それなら、道で見かけた子どもや、微笑ましい老夫婦、頑張っている人など、気持ちを寄せやすい人を見つけては、彼らの幸せを願う。

そういうことを続けていると、あなたの心もポカポカし、幸福度が高まる日常に変わるでしょう。

人間は放っておくと不安になってしまう生き物

そうはいっても、テレビやSNSから悲しくなるニュースなどが流れてくると、心が傷つきます。

人間は放っておくと不安になってしまう生き物だから、ついSNSやニュースを見て、友人知人の近況や、社会問題について調べてしまいます。

でも、ゲルフ大学のエイミー・ミューズらの研究によると、フェイスブックなどのソーシャルメディアの利用は、嫉妬心を増幅するそうです。

また、人間はネガティビティ・バイアスを持っているので、ニュースなどの情報を見たときに、ついついネガティブな情報ばかりが目に入ってしまうということもあります。

結局、そういった情報サービスへの依存は、アンハッピーアクションになってしまう可能性が高いわけです。

さらに、自分で調べると情報を集めすぎてしまうことも多々あります。

情報が多すぎるのも問題で、それはそれで、正しい選択ができなくなったりすることもラドバウド大学のアプ・ダイクスターハウスらの研究などで分かっているのです。

これらの研究を踏まえると、何かに集中したい人は、隣の部屋や時限式のロッキングコンテナに隔離するなどして、強制的にスマホが使えない状況にできるとよいでしょう。