自己肯定感の低い部下への理想の声かけ
一方で、自分自身ではどうにもならないこともあります。例えば、ネガティブな部下がいたとします。部下の自己肯定感まで、上司のあなたが変えていくのは難しいでしょう。
こうした時は、「自己受容感」を活かしていくことが最善です。自己受容感は自分の強みと弱みを受け入れることを指します。これを他者に応用します。できないことを克服させるよりも、相手の強みと弱みを理解し、強みにフォーカスしていくわけです。
これは夫婦関係や恋愛、子育てでも言えることです。もちろん常識的な部分は必要ですが、できないことをできるようにさせることは、させる側もする側も苦痛です。「なんでできないの?」とネガティブな口グセをやめて、相手の強みを引き出しながら「どのようにすればいいかな?」に変えていく。そうすれば、相手へのイライラはなくなり、お互いが前向きになれるでしょう。
「昭和の頑固オヤジ」にも良さがある
多様性というのは、こういうところから始まるのものだと思います。一見、同じ言語で話していても、自分とは違いがあることがわかっていれば、その人の特徴や良さを探しますよね?
仮に「昭和の頑固オヤジ」みたいな上司やクライアントがいて、彼らから頭ごなしに言われることがあれば、「それは彼らにとってふつうのことなんだ」と思うこと。相手に合わせる必要はありませんが、その年代の人が何を大切にしているか、どんな背景で生きてきたかを知ろうとするだけでも「だから、そういう言い方になるんだ」と、理解や許容ができるようになります。
事実は解釈によって変わります。口グセはその解釈が口から出るもの。否定的な解釈をするか、肯定的な解釈をするかで、仕事の進め方も人間関係も変わるのはそういうことです。
もっとも基本的で大切なことは、まずは自分を知ること。なぜなら、人生において自分との対話が一番多く、向き合っている時間も最も長いわけですから。
例えば、「目の前の信号が黄色で点滅しているけど、渡るか渡らないか」といったささいなことさえ、人は自問自答します。ふだんから今日は肯定的な口グセができていたかなと、自己との対話をしていく。自分を幸せにするのも不幸にするのも、口グセ次第。だったら、「ハッピーな人生に向かって踏み出したほうが楽しくて、ストレスもなくて、仕事もうまくいく」はずですよね? ちょっと長いですが、これを口グセにするのもありかなと思います。