いまは「企業内起業家」が求められている

バブルがはじけ、失われた10年、いや20年、30年と呼ばれる時代が続き、右肩上がりの経済成長を知らない世代が多数になりました。かく言う私も、高度経済成長は経験していません。

日本国旗とチャート
写真=iStock.com/Ca-ssis
右肩上がりの経済成長を知らない世代が多数(※写真はイメージです)

その一方、企業は、終身雇用の負担に耐えられなくなっています。

だからこそ、起業家精神、「変化の中に機会を発見し、事業を成功させる行動体系」が必要なのです。

起業でなく就職を選んだとしても、昔のように「会社に入ればOK」という考えではなく、「会社に入ってどうするか」という考えが必要です。

入社した後、Entrepreneurshipを発揮して、新企画の提案をする。会社の資源を活かして、新たな事業を生み出す。これらはどれも立派なEntrepreneurshipの実践です。日本では「企業内起業家」(イントラプレナー)という言葉もあります。

「ビジョン」「ミッション」「パーパス」が重視される

ほとんどの会社には「企業理念」があります。世界的にも有名な企業理念として、「Johnson & Johnson」の「Our Credo」があります。大切なのは、絵空事ではない、リアルな理念であることです。

私が見聞してきたスタートアップには、必ず「ビジョン」「ミッション」「パーパス」の3つが存在します。まず「叶えたい夢」がある。これがビジョンです。そしてビジョンを叶えるための「ミッション(なすべきこと)」があり、それをなす「パーパス(存在意義)」がある必要があります。

アメリカの投資家は、起業家に対して、この3つについてとても重視して質問してきます。