娼婦に求められる「東莞式ISOサービス基準」

東莞の娼婦の性的サービスも特別のもので、「東莞式ISOサービス基準」というものが実施されていたそうだ。

ISOとは「国際標準化機構」のことであり、同組織が定めた国際的に通用する規格をISO規格と呼ぶ。このISO規格に合致した製品は、世界標準であるということになる。

要するに、東莞の性的テクニックは、お客さんも100点満点をつける超一流のものだということを示すのが、「東莞式ISOサービス基準」であり、こうした呼び方で、店の経営者たちが誇るらしい。

店はサービスを受けた男性に採点用の調査票を渡し、満足度を十数項目にわたって調べていた。そこまで気を使っていたのだ。

30年近く続いた性産業の繁栄に終止符

中国ナンバーワンの色街として名を馳せた東莞市だが、いまではすっかり姿を変え、健全な街づくりを進めている。マイナスのイメージから脱却し、かつて賑わっていた遊郭の風景は消え去り、売春婦はどこにもいない。

2014年、警察は本格的な取り締まりを開始し、街の売春宿を徹底的に破壊した。30年近く続いた性産業の繁栄に終止符が打たれた。

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写真=iStock.com/mattjeacock
30年近く続いた性産業の繁栄に終止符(※写真はイメージです)

東莞市が長い間、売春を容認してきた理由は何か。2014年になぜ、警察が大規模な取り締まりを行ったのか。一つの原因は、改革開放の初期は外資誘致を優先し、売春の問題をある程度容認していたことにある。