皇室という存在はコストをかける価値がある

皇族が増えるとコストは上昇する。しかし、一人ひとりの皇族にかかる費用より、都内の一等地にある皇居などの施設や宮内庁の組織の維持費など、皇族の人数にかかわりなくかかる費用のほうが格段に大きい。

それでも、国民統合のためにも対外的な威信においても皇室という存在にコストをかける値打ちはあるし、皇族数維持のための微々たるコストを節約するのは筋違いだと思う。

また、新制度が採用されたとして、その子どもや孫に皇位継承権を持たせたほうがよいかは、何よりも悠仁さまの子どもがどうなるかにかかっている。男子が何人も生まれたら必要性は少なくなるだろう。

もし男子がいなければ、男系男子継承を守って旧宮家からの養子の子孫とするのが順当だが、その時代の国民の判断として、女帝も女系もよいことにした場合には、悠仁さまの女子がいれば最優先、次いでもし佳子さまが結婚後も皇室に残られたらその子孫、次に愛子さまの子孫、という順番になる。

新年一般参賀で日章旗を振る人々
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皇統断絶よりはどの案も「ベター」

悠仁さま、愛子さま、佳子さまという上皇陛下の3人の孫の子孫がいなくなる可能性も何割かはあるのだから、たとえ女系継承の可能性を認めた場合にも旧宮家の子孫を「予備軍」として準備する必要があることを、女系派の人たちも無視しないでほしい。

現役皇族が誰もいなくなった場合に「元皇族の復帰は憲法違反だから、天皇制は終わりにしろ」と言うのは突飛な憲法解釈だし、皇室の歴史を無視した正統性に欠ける考え方だ。

さらに言えば、現役皇族に誰もいなくなった場合、小室圭・眞子夫妻に子どもができたら皇位継承候補とする可能性も皆無ではない。

皇統断絶よりはどのような案も「ベター」である。継承問題が具体的になるのは、悠仁さまのお子さまの状況が確定する20年後、つまり2045年ごろであり、さらに実際の継承は21世紀最終盤なのだから、現在の好感度でなく、その時点での妥当性が高い選択ができるように柔軟な制度にしておくほうが良いだろう。

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