お金の使い道に優先順位をつける「貯金メンタル」

【澤】なるほど。では、浪費メンタルがあるのなら、それと対極的なメンタルもあるのですか?

【ふゆこ】それをわたしは、「貯金メンタル」と呼んでいます。浪費メンタルとは逆に、人生のなかで自分がなにを大切にしたいのか、なににお金を使いたいのかといったことを主体的に明白にできていて、優先順位もはっきりつけられている精神状態です。

この貯金メンタルを持てていれば、情報に引っ張られて自分に必要のないものにお金をかけることがなくなり、お金を貯めることができます。ですから、繰り返しになりますが、自分を振り返る自己分析が、貯金のための大きなポイントになると思います。

【澤】ただ、たくさんのストレスがかかっているときには、「自分を振り返ろう」というようには思えないかもしれません。そのあたりはどう考えますか?

【ふゆこ】確かに、わたし自身も会社での人間関係などによってストレスを慢性的に感じていた時期には、そうできなくて浪費を重ねていました。ですから、根本的なところでいえば、やはり「対策自分論」の考えを持って、ストレスを減らしていくことが第一かもしれません。

欲しいと思ったものを一旦「リスト」に書いて数日様子を見る

【澤】自分に必要のないものにお金をかけてしまうのはもちろん問題ですが、わたしたち人間は、衝動的に「これが欲しい!」と思ってしまうこともあります。

【ふゆこ】わたしの場合、そういうときはスマホのメモに自分でつくっている「欲しいものリスト」にいったん書き込むようにしています。そうすることは、「買う」という行為の代わりになっている感覚があり、メモするだけである程度満足するようになったのです。それに、書き込んで数日も経つと、「よく考えたらいらないものだった」と冷静に思えることも多く、欲しいものリストをつくってからは衝動買いをまったくしなくなりました。

【澤】しかし、人生をハッピーにしていくにはいかにお金を使うかということも大事ですよね。先の主体性のお話もそうだと思いますが、お金の使い方について他にどのようなお考えを持っていますか?

【ふゆこ】そもそも論になりますが、「人生自体が無駄といえば無駄」というか、いかに無駄を楽しむのかが人生だと思っています。ですから、節約とは真逆のことに思えるかもしれませんが、いかにお金を無駄に使うかということも大事だと思うのです。

でも、だからといってむやみやたらにお金を使うことは問題です。そこで、満足感を得やすいお金の使い方を考えていき、わたしの場合はモノではなく経験、あるいは他人への投資にお金を使うと満足感を得られるという結論が出ました。ですから、家族へのプレゼントであるとか、未経験のものなどにお金を使うことを意識しています。

(構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=清家茂樹)
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