実績を出している人材の年収は軽く1000万円を超える

さらに、すでにSIerやユーザー企業で実績を出している人材は年収で軽く1000万円を超え、そうした人材が同じ待遇でリスクを冒して転職するわけがないから、招聘する人材の待遇というコストは度外視せざるを得ない。

例えば50歳くらいのそうした経験豊富な人材はリスクを冒さなくても、残りの10~20年の現役を通じて同じ待遇を維持できることを知っている。だとすれば、リスクを冒してきてもらうためには、待遇を大きく引き上げる必要がある。

そして、年収2000万~3000万円クラスでチームを構成すればすぐに億を超えるコストになる。しかも単年度ではなく複数年の保証がなければ安心して来てもらうことができない。

また、そうした人材に一定の帰属意識を感じてもらい、信頼関係を作っていくためには、招聘する側の経営トップの力量も試される。

この時、お互いのリスク(数年後にたもとを分かつ可能性)を考えれば、移籍してもらうことだけでなく、現職を維持したまま副業や業務委託といった形で参加してもらうことも十分にあり得る。

そうしたチームを集めることができるだけの力量がトップにあれば、独自のIT戦略を実行できる可能性はあるだろう。

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