25歳は現金比率25%、50歳は50%を守る

現金比率に正解はありません。ですが、若い時には失敗しても何度でもやり直しがききやすく、年を重ねるにつれて選択肢が限られていくことを踏まえると、「投資家自身の年齢と同じ数値の%」を現金で保有することは一つの解となるのではないでしょうか。

たとえば、25歳であれば25%を現金で保有して残りの75%を株式等で運用する。50歳であれば50%を現金で保有して残りの50%を株式等で運用する。というような具合です。

インフレが定着すると、物価の上昇分だけ現金の価値が毀損することになります。これまで1000円出せば6個買えていたカップラーメンが、5個しか買えなくなる、そんなインフレの時代が日本に訪れようとしています。

そのため、現金を保有し続けると物価上昇により価値が低減するため、株式を買っておこうという考え方もあると思います。

ただ、定期的に発生する株価の暴落に対処するためには、現金は極めて重要と言えるでしょう。精神安定剤という意味で、現金は株価暴落時において比類がないほど価値がでてくるのです。

貯金箱
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優良企業の株を長期間保有しているだけでいい

▼胸に刻んでほしいこと その2
 長く続けていればリターンは自ずとついてくる

「株式投資において最も大切なことは何か?」と問われれば、迷わず「長く続けること」と回答します。

株式という歴史的なリターンの高いアセットクラスから実際に利益を得るためには、まずその大前提として株式を保有している必要があるのです。

株価は、短期的には買いたい人と売りたい人との需給で形成されます。したがって、想定以上に株価が下がることもあれば、想定を超えて株価が上昇することもよくあること。規則性のない株価の変動により、株価上昇の喜びと株価下落の悲しみとの間でメンタルの振れ幅は大きくなるでしょう。

これは株式投資を続けていく上で精神的に大きな負担となります。

その一方で、株式の長期的なリターンは長く保有すればするほどに平均値(6%台半ば)に収斂していきます。したがって、あれこれ考えずに優良企業の株を長期間保有していれば、期待リターンはプラスで、資産形成もできているでしょう。

しかしながら、前段のとおり、心理的な影響を受けることはまぬがれません。そこで、それを受け入れた上で、長く投資を続けられる環境づくりを意識しなければならないのです。