自由と自己責任の世界である株式投資を

ここまで創業社長の「わがまま」について聞いてきたが、清原氏も尋常ならざる成果を残したファンドマネジャーだ。自身については「わがまま」なタイプと考えているのだろうか。

「わがままかどうかと聞かれてもねえ。20代の頃は人生の目標が見つからずに荒れた生活をしていました。酒の量も半端ではなく、野村證券でNY支店にいたときは、飲酒運転で事故を起こし、裁判所に出頭したこともあります。

ちなみに私が咽頭がんになった原因は『葉巻』だと思います。強いて言えばこれがわがままですかねえ。さすがにそれから葉巻は吸っていませんが、お酒は退院した日から再開しています」

豪快に語る清原氏だが、成功のカギだという「夢」はあるのだろうか。

「私はこれまでたくさん仕事をして、たくさん遊んできました。やるべきことはやりつくしたという実感があるし、最後の仕事として私の投資術をまとめた本も出版できたので満足しています(ちなみに私はSNSをやりませんので、私を名乗るアカウントはすべて詐欺です)。

あえて言うなら、趣味である低山ハイキングを体が動く限り続けること。また能登が大好きなので、震災復興が落ち着いたら毎月にでも旅行にいきたいと思っています」

「わがままを貫く」強みについて聞いてきたが、同時に清原氏は「会社員であれば『わがままを通せない』場面が多いのは当然。そういう人にこそ、自由と自己責任の世界である株式投資をやってほしい」と語った。「自分なりのわがまま」の通し方を自分で考えることが大切なのではないだろうか。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年5月31日号)の一部を再編集したものです。

(文=本誌編集部 写真=野口博)
【関連記事】
なぜ一流の経営者は神社に行くのか…パナソニック創業者・松下幸之助が熱心に祈っていた"2つのこと"
ツタヤさんのほうがお店はキレイです…ゲオ社長の「うちは二番手でいい」「内装は安くていい」という経営哲学
「“お人よし”では厳しい競争社会では生き抜けない」は大間違い…結局、成功と幸せを手にする人の共通点
田中角栄は常に学歴を気にしていた…田原総一朗が考える「本物の一流と偏差値だけの人間」の決定的な違い
これだけは絶対にやってはいけない…稲盛和夫氏が断言した「成功しない人」に共通するたった1つのこと