子どもが性被害に遭ったら、絶対にしてはいけないこと

全国の都道府県に、被害者支援センターがあります。センターの臨床心理士が、無料でカウンセリングや専門的治療を行っていることが多いので、まずは連絡を取ってみましょう。

また各都道府県に、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターもあります。ここは性犯罪・性暴力に関する相談窓口で、産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関と連携しています。

また、自分の子どもから性被害を打ち明けられたら、絶対に怒らないことが重要です。子どもは勇気を出して親に打ち明けています。「そんな短いスカートをはいているから」など、子どもに落ち度があるような言い方はやめましょう。

被害から時間が経過していても、「どうしていままで黙っていたの?」と問い詰めないでください。また、「気のせいではないのか」「忘れたほうがいい」などと子どもが打ち明けたこと自体を否定したり、子どもの気持ちに寄り添わない発言もやめてください。

忘れたくても忘れることができないからつらいのだ、ということを理解しましょう。

まずは、「よく話してくれたね」といたわり、「あなたはなにも悪くないのだから、安心してね」と言ってあげてください。

子どもに寄り添い手を握る母親
写真=iStock.com/ChayTee
※写真はイメージです

そして、なにに困っているのか、体調などを尋ね、早めに一緒に警察や支援センターに相談に行きましょう。子どもが同意すれば、学校のスクールカウンセラーに相談してみるのもよいでしょう。

性被害の加害者が、自身のパートナーや知人友人であるなど、場合によっては親が動揺する場合もあります。その場合でも、「○○さんがそんなことをするはずない」などと、子どもが嘘をついていると決めつけるようなことは絶対に言わず、子どもの言い分に耳を傾けてください。

友人には「闘って」ではなく、寄り添う言葉を

友だちから性被害を打ち明けられた時は、友だちのペースに合わせて、話をよく聞いてあげてください。心配かもしれませんが、事件のことを根掘り葉掘り聞かないでください。そして、ちゃんとご飯を食べられているか、眠れているかなど、体調を気遣ってあげてください。

正義感が先走り、「警察に行くべきだ」「泣き寝入りすると、犯人はまた別の人を襲う」「示談などもってのほか。裁判で徹底的に闘って」などの意見を述べるのは控えましょう。深く傷ついていて、警察に行くことを考えられない人もいます。

また、自己肯定感が低下していたり、世の中の人がすべて敵に見えていたりしている場合もあります。「私は味方だよ」と伝え、自分にできることはないか、「ご飯買ってこようか?」などと尋ね、日常生活が送れるように支えてあげてください。

内容をぼかしたとしても、打ち明けられた話をSNSや、ほかの友人、親などに話すこともやめましょう。被害にあった友人の了解がないかぎり、自分だけの胸にしまってください。