収入が低くてもお金が貯まる人、高年収なのに貯まらない人。その違いは決して生まれや育ちで決まるものではない。5000以上の家計を見事再生したFPが、「貯まる体質」になる秘訣を伝授。
同じくらいの収入でも、確実に貯金ができる人と、あるだけ使い切ってしまい、時には借金までつくってしまう人がいる。年収が高いからといって貯金が多いとは限らない。
私はこういった差は、お金の使い方について「自分の軸」を持っているか否かによって生まれると考えている。
若い世代の中で急速に「車離れ」が進んでいるのをご存じだろう。彼らは、「車が必要なときだけレンタカーを利用すればいい。公共の交通機関が発達した都内で車を持つなんて、マゾだ」とさえ言い切るのだ。
車を持つことが1つのステータスだった世代からすると不思議な気もするだろうが、これも時代に合った1つの価値観であり、「自分の軸」の1つなのだ。お金に対してこうした軸をしっかり持っている人はたいてい、無理なく、楽しみながら貯蓄をする「貯金力」も併せ持っているものだ。
そもそも、家計再生コンサルタントとして、私が掲げる最終目標は、「○○万円貯める!」といった単純なことではない。お金の使い方を通して、自らの人生を上手にコントロールしていける力をつけてほしいのだ。
なぜ、お金を貯めようとするのか。最終的に何を目的にしているのか。まずそれを自分に問いかけてみてほしい。そこからお金の使い方に対する軸がだんだん見えてくるはずだ。
実は、私自身、20代後半までは稼いだだけお金を使ってしまう生活をしていた。結婚して子どももいるのに、理不尽な扱いを受けたと感じ、無計画に会社を辞めてしまったりもした。
いま思えば人生の軸を定められず、叶わない夢ばかり見ていたのだ。しかし、落ちるところまで落ち、改めて自分にとって何が大切なのかを考える機会を得た結果、少しずつだが、お金を貯められるようになった。「高級なもの=いいもの」といった従来の固定観念も少しずつなくなっていった。結果、人生そのものも、ゆっくりとプラスの方向に回っていったのだ。