個人賠償責任保険が運命の分かれ目に

自転車事故の裁判を多く傍聴してきて「ここが天国と地獄の分かれ目だ!」とはっきり感じること、それは加害者側が個人賠償責任保険に加入しているかどうかだ。もちろん、被害者は回復不能な後遺障害を負わされ、あるいは死亡させられ、「天国」も何もない。しかし、治療費等が支払われるかどうか、被害者本人にとって、また家族等にとって、重大な問題だ。

個人賠償責任保険は、火災保険や、自動車の任意保険の特約としてつけることが多い。特に認識しないまま、その両方に加入している方も多いのではないか。掛け金は1000円前後か2000円程度だ。保険金の限度額によって異なる。保険会社によっても異なる。

年間2500円弱で「万が一」の備えに

私の場合、自転車事故の「天国と地獄」をさんざん傍聴して、新たに契約することにした。

いちばん安い傷害保険に加入し、その特約として限度額3億円の個人賠償責任保険をつけた。掛け金は傷害保険と特約と併せて年間2496円だ。個人賠償責任保険は、同居の親族の自転車事故にも支払われる。心強い。

経費の概念。硬貨の上にモノのアイコン
写真=iStock.com/CarlaNichiata
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自転車は身近で手軽な乗り物だ。交通ルールなど知らなくても乗れる。免許停止もない。クルマやバイク以上に、不注意な運転、身勝手な運転をする者がいる。自分がそうならないよう注意したい。かつ、危ない自転車の被害者にならないよう注意したい。加害者がどんなに重く処罰されても、賠償金がどれだけ入っても、失われた健康や命は戻らないのだから。

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