高齢者の約3割は2000万円以上持っている

次の図表4は金融資産の額の世帯割合を世代別に示したものですが、これによると、70歳以上の27.8%、80歳以上の26.1%と、高齢者の約3割は2000万円以上の資産を持っています。

【図表】金融資産残高別の世帯割合
出典=財務省財政制度分科会令和6年4月16日開催資料「子ども・高齢化」p92

また、次の図表5は75歳以上の世帯の収支を現したものですが、夫婦2人世帯、つまり国が年金制度を検討するベースとしている「モデル世帯」で見ても、家計の収支は黒字、つまり収入が支出を上回っている状態なのが分かります。

【図表】75歳以上世帯の収支状況
出典=財務省財政制度分科会令和6年4月16日開催資料「子ども・高齢化」p92

本当に現役世代が負担すべきなのか

もちろん、それぞれの世帯が支出を減らす努力をしている、という面もあります。

また、すべての高齢者世帯が裕福なわけではなく、生活に困っている高齢者も年々増加していると言われています。

とはいえ、全体で見ると「現役世代は借金が増えている」「高齢者世帯は黒字で、金額資産も多い」のが現状です。

そのため、現役世代が高齢者の医療費の約8割も負担する必要があるのか、議論が起こっているわけです。