自営業・フリーランスは保険料が高くなるケースも

このように本来、投資で得た利益や損失については確定申告をしないことも可能です。

しかし、確定申告すると、所得に応じて正しい税率が適用され、所得税・住民税が安くなる場合があります。

ただ、自営業・フリーランスなど、国民健康保険に加入している方の場合、投資の利益を確定申告すると、国保の保険料の算出にも影響し、高くなるケースが多いです。

具体的には、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料などが高くなってしまうのです。

なので、自営業・フリーランスの場合、確定申告をしたほうが得かどうか、保険料を計算しないと分からないのです。

増え続ける高齢者医療費問題が発端

これを改革しよう、というのが今回報じられたプロジェクトチームの検討内容です。

つまり、現状、確定申告をした場合としない場合、また会社員か自営業・フリーランスかで、得になるケース・損になるケースがあるので、もっと公平な制度にしたいので、そのための議論が始まっているということです。

その結果、これまで投資で利益を得ていて、申告不要だった人の中には、保険料が値上げされて損になるケースも出てきます。

右肩下がりの矢印を持っている男性
写真=iStock.com/takasuu
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そもそもなぜこれが議論されているかというと、もともとは高齢者の医療費問題が発端です。

高齢者の医療費が莫大な額にのぼり、国民健康保険や社会保険でカバーしきれなくなっています。政府としてはできるだけ保険料を上げたいので、どこからどうやって取るかが議論されているのです。